ゲーム制作を始めて3年くらい経ち、それなりに遊べる脱出ゲームを作れるようになってきたので収益化してみたいと思い、以前から気になっていたアドバーチャ(AD-Virtua)を導入してみました
アドバーチャとは
詳しくはこちらの公式サイトでご確認頂けます
ざっくり言うとメタバース上で掲載される動画広告で、クリック報酬型ではなく広告動画の再生回数に応じた収益が得られるという広告です
メタバースだけでなくブラウザゲームにも掲載する事ができ、初心者でも簡単に申請ができます
つい先日に新しいバージョンがリリースされ今後も変化していくと思われますが、現時点(2024年9月)での実装してみた所感を記しておきます
実装方法
公式サイトの開発者向けページに登録方法と実装方法の動画があります
とてもシンプルでわかりやすい実装方法ですが、何点かつまづいたところもありました
まだ何が正解かわかってませんし、的外れなことをしているかもしれませんが忘備録として書き残しておきます
AD-Virtuaの申請
詳しくは公式サイトの動画でわかりやすく説明されています
ダッシュボードのプロダクト一覧からプロダクト追加ボタンを押し新規作成します
年齢とかカテゴリとかで掲載される広告の内容が変わるとか聞いたけど、とりあえず適当にしました
説明とかこんなんでいいのか?
上画像のユニットIDをコピーしてUnityで使用します
Unityでの設定
インストールしたらアドバーチャのアセットをゲームシーンに投げ入れて、インスペクターにユニットIDをペーストし、広告を映すカメラを選択します
ゲームを再生してみて動画が再生されれば成功ですが、まあ一発で成功とはいきませんでした
動画が再生されない場合の原因
裏側を向けている
ディスプレイには表裏があり、アセットをゲームシーンに投げ入れると一目では裏表や上下左右がわかりにくいです(たいてい裏向きになっている)
インスペクターで回転しゲームを再生して確認するしかないです
手前に他のオブジェクトがある
公式の注意事項でディスプレイの手前にオブジェクトがあると動画が再生されないとありますが、シーン上ではディスプレイがちゃんと見えてるのに動画再生されない場合があります
どうやら手前のオブジェクトとはコライダーのことらしいです。なのでコライダーを外すか、コライダーの位置を後ろに下げるかすると動画再生されました
手前に透明のガラス(コライダーなし)を置いた場合は問題なく再生されました
UIで隠れてしまう
UIの手前にディスプレイを配置するのが意外と難しかったです
ディスプレイをCanvasのパネルディスタンスより手前に配置しても、ゲームシーン上ですらディスプレイ自体が表示されません
これ、CanvasのOrderInLayerが0より大きいのが原因でした
ディスプレイのインスペクターにOrderInLayerは見当たらないですが、おそらく0なんだと思います
複数のCanvasを使う時は全てのOrderInLayerを0以下にしないといけません
収益化のための細かいルール
アドバーチャ登録後に見れるマニュアルにガイドラインや、収益化のためのコツが記載されていたのでいくつかピックアップします
- 原則、ゲームを一般公開してから審査依頼をだす(公開前に事前審査したい場合は要相談)
- 広告動画は15秒以上連続再生されないと収益は発生しにくい
- モニターはユーザーが自然に目につくところに置かなければいけない
- モニターが画面に占める割合は大きい方が良い(小さいモニターを複数より大きなモニターを1つの方が良い)
- バナー広告のように常時表示させる場合は画面の1/6以上占める大きさじゃないと収益単価が下がる
- ゲーム開始から15分以内に画面にモニターが映る場所(シーン)に到達する
- モニターをシーンにインスタンスしてから90秒以内に広告動画が目に入るようにする
- モニターのあるシーンを短時間に頻繁にロードして広告動画を再生させてはいけない
- ユーザーの意思で自由にモニターを見えなくできるようにしないと収益単価は下がる
実際はどうだったか?
実は私、初めの頃はこのルールをよく読まずに、ゲームを一般公開する前に審査依頼を出していました
でも意外と審査はすんなり通りました
私の制作している脱出ゲームというジャンルは、一度遊んだら2度は遊ばないゲーム故に公開後1週目が最もユーザーが多いので、出来れば一般公開前に審査できればな〜なんて思います
脱出ゲームでよく実装される広告は、基本的に常時表示させるバナー広告、メニューまたはヒント画面で表示する広告、あとはゲーム内のオブジェクト(PCやポスター)に貼り付けるパターンが多いです
ヒント広告なんかは上記ルールに見合っていないところもある気がしますが今のところ審査は全て通っています
小さなバナー広告の単価は低いとの事ですが、実際は時々見るメニュー画面の広告よりも多くの収益がありました
ゲームオブジェクトにも大きめの広告を配置してみましたが(先述の掲示板の広告)、プレイヤーは15秒以内に移動してしまうらしく視聴完了割合は最も低く、今のところ収益も低いです
審査にかかる期間
これまでに3作の脱出ゲームでアドバーチャを実装しました
2024年5月下旬に公開した1作目は4日程で審査が通りましたが、同年9月上旬に公開した3作目は6日かかりました
時間がかかるのは残念ですが、アドバーチャを利用する開発者が増えているのなら喜ばしいことです
審査結果の連絡はないのでこまめにダッシュボードで審査が通ったかを確認しながら気長に待つしかないですね
気になる収益は…
2024年5月27日から9月8日にかけて3作品の脱出ゲームにアドバーチャを実装した結果です(2024年9月17日現在)
約2ヶ月半で2000円!
最初に投稿した『暗い家の秘密』というホラー脱出ゲームは間違って審査通ってからunityroomで一般公開したゲームなのでダントツで多いですね
あと大手サイトのunityroomはやはり強いのかも
収益が合計5000円を超えたら振り込みしてくれるらしいので、10作品くらい公開したら届くかな
短期的に見たら少ないですが、ブラウザ脱出ゲームは遅れてハマる人が結構いるので何年もかけて少しずつ収益につながればいいなと思います
今後に期待!
趣味でゲーム制作しているつもりでも、こうしてリアルに数字が出るのはモチベ上がりますね
ただ、アドバーチャを導入する開発者は増えているようですが広告を出す企業はまだまだ少ないようです
広告主を増やすためにも、私たち開発者が面白いゲームをたくさん作って多くの人に遊んでもらわないとですね!